マルチパス環境での最尤推定法による低高度目標の高度推定
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概要
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追尾レーダで低高度目標の追尾を行うとき, 海面反射(あるいは地面反射)によるマルチパス現象により側角誤差が発生するという問題がある.また, 入射波の到来方向が推定できても, その時の低層大気屈折率傾度によっては目標の正しい位置を特定できないという問題がある.本稿では, 等価地球半径を考慮した鏡面反射モデルから目標高度をアレーアンテナを用いて最尤推定法に基づき推定する方法を検討した.計算機シミュレーションにより以下を確認した.(1)アレーアンテナ素子間においての直接波と反射波の位相差を一定と仮定することはできない.(2)等価地球半径と目標高度の2変数で探索すれば, ほぼ真値が推定可能である.(3)フレネル反射係数(複素誘電率とシーステートに依存)は-180度に固定としても誤差とならない.(4)等価地球半径係数が標準大気と異なるとき, 標準大気(等価地球半径係数4/3)を仮定した推定では, 目標高度に5m程度のバイアス誤差が発生する.
- 一般社団法人電子情報通信学会の論文
- 2001-12-06
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