超伝導量子干渉素子による低周波電磁波の到来方向推定法の検討

概要

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海中通信、地中資源探査、火山活動観測、地震の予知などを行うためには数十KHz以下のELF帯域の超低周波の電磁波を検出するアンテナが必要となる。従来の電界を計測するアンテナでは極めて大型な装置とならざるを得なかった。本稿では、ELF帯域のアンテナとして磁気センサである超伝導量子干渉素子(SQUID)をアレー状に配置し、出力振幅の入射到来方向依存がcos(θ)特性となることを利用した最小二乗法(LS)、2次元フーリエ変換法、最尤推定法(ML)、部分空間法(SF)及びSARSIC法(SARSIC:SQUID Array Root SIgnal Classification)による到来方向推定法を提案する。部分空間法に属するML法、SF法、SARSIC法は到来波解析の多次元化のために前処理として多重解像度解析法であるウエーブレット変換を前処理として適用することも可能であり、孤立状低周波電磁波の周波数・到来時刻を得ると共に到来方向を推定することが可能である。最後に計算機実験により、これら方法の到来方向の推定精度のS / N依存性及び、S / I依存性等について比較評価し、相関性干渉が少ない状況ではSARSIC法が少ない計算量で良い推定性能が得られることを示す。
2000-01-21