海馬スライスにおける膜電位振動 (2-7Hz) の膜電位イメージング法による時空解析
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概要
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神経細胞集団における膜電位変化の同期と振動は、脳の情報統合の主要なメカニズムであると考えられている。海馬スライスでは、高頻度電気刺激によりCA1領域の複数の錐体細胞で同期した20-50 Hz(ガンマレンジ)の膜電位振動が誘起され、この刺激をより強く与えた場合、ガンマレンジの膜電位振動に続いて2-7 Hzの同期的振動が観察される。この2-7 Hzの膜電位振動の空間分布を膜電位感受性色素とフォトダイオード列を用いた膜電位イメージングによって解析した。CA1領域放線層の高頻度電気刺激によって誘発される2-7 Hzの振動は、複数の脱分極性応答の集合から構成され、1) CA1領域および海馬台にかけて広範囲に分布すること、2)錐体細胞の樹状突起の長軸方向で完全に同期すること、3)錐体細胞層に沿ったCA1領域から海馬台方向では同期または伝播する性質を持つことがわかった。またこの振動は、高頻度電気刺激の部位によらず同一の振動が誘発されることもわかった。これらの特徴はin vivoで知られる海馬シータ波の特性と大きく異なっていた。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2005-03-22
著者
-
宮川 博義
東薬大生命
-
宮川 博義
東京薬科大学生命科学部
-
井上 雅司
東京薬科大学生命科学部脳神経機能学研究室
-
工藤 佳久
東京薬科大学生命科学部
-
粕谷 奉幸
東京薬科大学生命科学部生体高次機能学研究室
-
宮川 博義
東京薬科大学
-
工藤 佳久
東京薬科大学 生命科学
-
工藤 佳久
東京薬大・生命科学・生体高次機能
-
井上 雅司
朝日大・歯・口腔生理
-
井上 雅司
東京薬科大学生命科学部
-
井上 雅司
東薬大・生命・脳神経機能学:モネル化学感覚センター
-
井上 雅司
東京薬科大・生命・脳神経機能学:モネル化学感覚センター
-
宮川 博義
東京薬科大・生命・脳神経機能学
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