受動的なケーブルによる低周波誘電分散特性(BCI/BMIとその周辺,一般)

概要

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EGGやLFPの発生機序や経頭蓋電気刺激の作用機序を理解するためには,脳組織の誘電率や導電率を知る必要がある.生体組織の誘電率が周波数に依存して変化すること,すなわち誘電分散は古くから知られているが,低周波領域での大きな誘電率の原因は未だによくわかっていない.我々は,脳組織における低周波誘電分散特性の原因として,電気的に長い細胞膜の存在が重要であると考える.本研究では,このアイディアを検証するために単なる抵抗体の細胞外媒質と受動的シリンダーケーブルからなる回路を構成し,膜電位と細胞外電位を記述する連立ケーブル方程式で記述し,解析を行った。その結果,細胞外には抵抗体しか存在しないにもかかわらず,低周波領域で10^8オーダーの大きな実効的な比誘電率を取ることを見出した.また,低周波領域でも容量性電流が無視できない寄与をしている可能性がある.本研究の結果から,受動的シリンダーケーブルの存在が,低周波領域での極めて大きな実効的な誘電率をもたらすことが明らかとなった.
2011-11-17