グリア細胞を標的とする医薬品の創製
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概要
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この総説では多様なグリア細胞のうち,アストロサイトに焦点を合わせた研究の成果を中心として医薬品開発への手がかりとしての重要性を解説した.小泉はアストロサイトのP2Y1受容体を制御し正常に維持する薬物が脳虚血等の酸化ストレスによる神経細胞およびアストロサイトの機能障害保護作用を持つ可能性を示唆した.工藤はアストロサイトが保有するグリオトランスミッターやサイトカインを遊離させる薬物の探索によって新しい中枢神経作用薬を発見することが可能であることを示唆した.和田はグリア細胞に存在するGPCRの研究が中枢神経系薬理学的研究に極めて重要な意味を持つことをNtsr2,PAC1およびVPAC2を実例として示した.橋本は統合失調症発症のグルタミン酸仮説の要になるNMDA受容体機能低下の原因がグリア細胞で合成されるD-セリンの減少やキヌレン酸の増加にある可能性を示唆し,統合失調症の新しい治療薬の開発にはグリア細胞に焦点を当てることが重要であることも示唆した.
- 2007-09-01
著者
-
小泉 修一
山梨大学大学院医学工学総合研究部薬理学講座
-
工藤 佳久
東京薬科大学生命科学部
-
和田 圭司
国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第4部
-
橋本 謙二
千葉大学 大学院医学研究院・精神医学
-
橋本 謙二
千葉大学 社会精神保健教育研究センター
-
小泉 修一
山梨大学 大学院 医工学総合研究部 薬理学教室
-
和田 圭司
国立精神神経センター神経研究所
-
小泉 修一
山梨大学 医学部 薬理学教室
-
和田 圭司
国立精神・神経センター 神経研究所
-
和田 圭司
東京大学 獣医実動
-
和田 圭司
国立精神・神経センター神経研究所
-
和田 圭司
National Center Of Neurology And Psychiatry
-
橋本 謙二
千葉大学社会精神保健教育研究センター 病態解析研究部門
-
工藤 佳久
東京薬科大学 生命科学
-
工藤 佳久
東京薬大・生命科学・生体高次機能
-
小泉 修一
山梨大学医学部薬理学講座
-
和田 圭司
国立精神・神経医療研究センター神経研究所
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