リアルタイム景観シミュレータのための形状のグルーピングと多重表現に基づく描画時間の短縮

概要

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3次元形状モデルを用いたリアルタイムの景観シミュレーションを行う際に,事前に形状モデルに工夫を加えることにより,視覚効果を落とすことなく描画時間を減少させる方法について述べている.近年,グラフィックワークステーションの性能の向上と低価格化により,3次元形状モデルを用いてリアルタイムの動画シミュレーションを行うことが可能になりつつある.しかし,この方法には,手軽にアニメーションが実現できるという大きな利点がある反面,描画時間が面数にほぼ比例することから,対象とする形状モデルが複雑になると,動画らしくなくなってしまうという問題がある.これを改善するためのソフトウェア面からの方策として,本論文では,視線の向きによる面のグルーピング,空間分割による立体のグルーピング,および形状の段階的簡略化による多重表現,の三つの高速化手法を用い,視点および視線が与えられたときにその画像に対する最適なグループと表現を自動選択することにより,視覚効果に影響を与えずに描画対象とする面数を大幅に減少させる方法を提案している.また,この方法に基づく各種実験を行った結果,これらの方法が極めて有効であることを報告している.
1994-02-25