情報伝播アルゴリズムによる安全なメッセージ伝達

概要

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情報伝播アルゴリズム(Information Dispersal Algorithm, IDA)による安全なメッセージ伝達の手法を提案し, その安全性を, 獲得した情報のエントロピーで評価する。この手法は, 安全性について通常のIDAによるメッセージ伝達の改善となっている。提案する手法は, まず, GF(q)^mの各メッセージに対してGF(q)^<m+k>の部分集合に対応させる。GF(q)^mの要素であるメッセージを送るときには, そのメッセージに対応するGF(q)^<m+k>の部分集合からランダムに要素を選び, それを通常のIDAによってn個のピース(GF(q)の要素)に変換して伝達する。ここで, m+k≤nである。m+k個以上のピースがあれば, 元のメッセージを完全に復元でき, 獲得したピースの個数がk以下であれば, 元のメッセージについての情報をまったく得ることができない。つまり, この場合は完全な安全性がある。獲得したピースの個数がkより大きくm+kより小さき場合は, 完全な安全性と完全な復元の中間状態となる。提案手法の通信量は, 秘密共有スキーマ(Secret Sharing scheme)による伝達の場合よりも少ない。
社団法人電子情報通信学会の論文
1998-10-30