携帯電話の電磁界による頭部内のホットスポット形成とSARのFDTD解析
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概要
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本論文では, 携帯電話によるホットスポット形成の有無を明らかにするために, 筆者らの製作になる成人, 小児, 幼児サイズの3種類の実形状不均質頭部モデル(以下, リアルモデルと呼ぶ)と, 対照モデルとしてそれらの大きさに対応した均質球モデルを用い, 携帯電話による頭部内SARを平面波曝露(ばくろ)の場合と併せてFDTD解析した.その結果, 携帯電話の実使用状態ではリアルモデルでも均質球モデルでもサイズの大小にかかわらず局所ピークSARは表面上で生じ, 内部にはホットスポットは形成されないことがわかった.一方, 携帯電話を頭部から9.75cm離した状態では幼児サイズのリアルモデル及び均質球の両モデルにおいてホットスポットが現れることが判明し, このことは平面波曝露で顕著に確認できた.しかし, これらのホットスポット値は, 携帯電話の実使用状態で頭部表面上に生ずるピークSAR値に比して十分小さく, 例えば幼児サイズの首まで含めたリアルモデルでのホットスポット値は900MHzでは1g平均で41%以下, 10g平均では36%以下, 1.5GHzでは1g平均で16%以下, 10g平均では11%以下, であることがわかった.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2000-01-25
著者
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藤原 修
名古屋工業大学大学院
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王 建青
名古屋工業大学大学院
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野島 俊雄
北海道大学大学院工学研究科
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野島 俊雄
Ntt移動通信網(株)ワイヤレス研究所
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牛本 卓二
名古屋工業大学工学部電気情報工学科
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野島 俊雄
北大 大学院情報科学研究科
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野島 俊雄
Ntt移動通信綱(株)
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藤原 修
名古屋工業大学
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王 建青
名古屋工業大学 電気電子工学科
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牛本 卓二
名古屋工業大学工学部
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王 建青
名古屋工業大学
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