ラチス形予測器を前処理とするFIR形ボルテラ適応フィルタとその収束性解析(画像信号処理及び一般)

概要

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FIR形Volterraフィルタでは. FIR部の出力における固有値広がりがVolterra関数により大幅に増幅される.これにより,勾配法による収束速度は非常に遅くなる.高速化のためには,従来からフィルタ入力を白色化する方法が提案されている.本稿では,ラチス形予測誤差フィルタとタップ付き遅延線及びVolterraフィルタを縦続接続した非線形適応フィルタを提案し,その収束特性を解析する.ラチス形予測誤差フィルタは時間遅れを生じないことや,DCT等に比べて白色化の効果が高いことから,高速化が期待される.本稿では,定常有色入力信号に対して,高速化が可能であることを確認した.また,提案方法の収束速度は,反射係数の更新速度に大きく依存している.すなわち,更新の時定数を大きくして反射係数を非常にゆっくりと更新することにより,高速化が可能である.次に,非定常有色入力信号について解析した.この場合は,FIR部の固有値広がりがVolterra関数により大幅に増幅されることがなく,白色化をしなくても高速化が可能であることを確認した.この場合でも,ラチス形AVFが最も高速であることを確認した.線形なラチス形適応フィルタでは,反射係数とフィルタ係数の更新が同期していない問題があるが,ラチス形AVFでも同様な傾向が見られた。
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-04-16

ラチス形予測器を前処理とするFIR形ボルテラ適応フィルタとその収束性解析(画像信号処理及び一般)

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