TFTの信頼性解析の現状
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
poly-Si TFTの信頼性解析について,現状を解説するとともに,バルク微細MOSデバイスの場合と比較しつつ,CMOSデバイスとしての低温nチャネルLDD TFT,pチャネルSD TFTについて,系統的なホットキャリヤストレスを印加し,劣化要因の解析結果について述べている.NチャネルTFTでは,飽和領域ストレスの場合,バルクMOSデバイス同様,ΔV_tはストレス時間に対するべき乗則のもと,n=0.4を示し,基板正孔電流の最大になるV_<sg>でΔV_tは最大になり,ドレーン近傍の高電界領域でアクセプタ型界面準位の発生が支配的である.弱飽和領域ストレスでは,ストレス時間とともに一度飽和し,長いストレス時間ではn=0.4を示すことから,チャネル領域全体にわたってアクセプタ型界面準位の発生が推測される.PチャネルTFTでは,飽和領域ストレスの場合,バルクMOSに似て,V_tは正方向にシフトしゲート電子電流の最大になるV_<sg>でΔV_tは最大になり,n=0.1を示すことからドレーン近傍での電子トラップが要因と考えられる.弱飽和ストレスでは,V_tは負方向にシフトし,n=0.2を示すことから,チャネル領域全体にわたる正孔のトラップが要因と推測される.V_<sg>が深くなるに従いn値はn〜0.3と大きくなる傾向を示しドナー型界面準位の生成を示唆する.これらの生成電荷はSiO_2-poly-Si膜界面,結晶粒界のトラップ,界面準位に起因すると推察される.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2004-03-01
著者
関連論文
- 両面発光分散型無機EL発光パネルの電気特性
- n-チャネル低温poly-Si TFTの電界,キャリヤ分布の2次元シミュレーション(ディスプレイ-IDW/AD'05を中心に-)
- 二次元デバイスシミュレーションによるn-チャネル低温poly-Si TFTの電界、キャリヤ分布(薄膜(Si,化合物,有機)機能デバイス・材料・評価技術)
- 極薄ゲート酸化膜poly-Si TFTの作製・評価
- 低温poly-Si TFTのホットキャリヤ効果による相互コンダクタンス,及びしきい値電圧の劣化 : LDD構造,及びSD(シングルドレーン)構造TFTの比較(低温または高温多結晶Siとアクティブマトリックス型ディスプレイ用薄膜トランジスタ論文特集)
- n-チャンネル低温poly-Si TFTのホットエレクトロン効果
- 液晶ディスプレイ用低温poly-Si TFTのホットキャリア効果とゲート電流
- 液晶ディスプレイ用低温poly-Si TFTの ホットキャリア効果とゲート電流
- 二次元デバイスシミュレーションによるn-チャネル低温poly-Si TFTの電界、キャリヤ分布(薄膜(Si,化合物,有機)機能デバイス・材料・評価技術)
- 二次元デバイスシミュレーションによるn-チャネル低温poly-Si TFTの電界、キャリヤ分布(薄膜(Si,化合物,有機)機能デバイス・材料・評価技術)
- TFTの信頼性解析の現状