菌体表層成分と歯周病試論歯周組織におけるCD14分子の役割

概要

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細菌表層には, 免疫生物学的に活性な成分が局在している(表1)。すなわち, マイコプラズマを除く細菌に遍く分布するペプチドグリカン(PGN), グラム陰性菌外膜を構成する内毒素性リポ多糖(LPS), グラム陽性菌表層に広く分布するリポタイコ酸(LTA), 結核菌類縁の抗酸菌表層のリポアラビノマンナン(LAM)等の複合糖質はいずれも多彩な免疫調節活性を発揮する。これらの物質については化学構造の解析も進み, PGNとLPSについては活性中心に当たるムラミルジペプチド(MDP)(図1)とリピドA(図2)がそれぞれ化学合成されている。さらに, 多くの合成アナログを供試して詳細な構造, 活性相関の検討が進んでいる。その結果, 活性発現には厳密な化学構造が要求され, わずかな化学構造の違いが微妙に生物活性に反映することが明らかにされている捌。他方, これら全く化学構造を異にする菌体成分の活性スペクトラムは互いに酷似している。しかも, これら菌体成分の作用は, 免疫担当細胞ばかりでなく, ほとんどすべての細胞種に及ぶといっても過言ではない。
1998-02-20