グラム陽性球菌によって誘導されるヒト抹消血リンパ球の増殖反応 : 未熟T細胞の出現を伴うその特異的反応論
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概要
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歯周病などの口腔内慢性細菌感染症の病因論の解明のための基礎的研究として, 口腔内細菌を含むいくつかのグラム陰性, 陽性細菌のヒト末梢血リンパ球に対する刺激作用を研究した。その結果, 主として, レンサ球菌, ブドウ球菌, コリネバクテリウム属(プロピオニノミクテリア)のグラム陽性菌にリンパ球を刺激して, 培養後5-7日をピークとする増殖反応を誘導する作用のあることを発見した。この反応は細菌の分泌毒素などによってリンパ球が増殖する既知の反応ではなく, 菌体そのものがマクロファージに食菌されることによって誘導され, イソターロイキン2(IL-2)非依存性に進むリンパ球増殖反応であった。この増殖反応の特徴の1つは, 反応中に自己組織傷害活性をもつと思われるT11^^^+T3^^-未熟T細胞が増殖することであった。以上の反応の詳細を記載し, この新しく発見されたグラム陽性菌によるヒトリンパ球増殖反応の歯周病など慢性口腔細菌感染症における病因論的意義について考察を加えた。
- 東北大学の論文
- 1988-06-30
著者
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