27. 人肝癌細胞のphosphorylase反応による合成多糖体について
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概要
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培養されている人肝癌細胞(H. L. F. 土井ら, 1975年)について, そのphosphorylase反応を実施し, ぶどう糖1-りん酸から合成された多糖体について電顕的に観察し, その偏倚の有無を検討した。既報の宮山(Acta Histochem. Cytochem. 5(1). 1972)の条件下で実施した人肝癌細胞の光顕的phosphorylase反応は, ヨード反応の着色からみると, 正常肝細胞のそれより青色調のやや強い多糖体が合成された。それについて電顕的に観察すると, 合成多糖体は小型のmonoparticulatesとして出現し, 正常筋肉でみたグリコゲンのmonoparticulateに類似しているが, それよりも小型で直径が150nmを中心とするものが多かった。正常肝細胞でみるような大型のrosette構造のものは認めなかった。他方, 本肝癌細胞にはnative glycogenが存在するが, そのグリコゲン粒子は直径約200nmでrosette型はなく, また粒子そのものは合成多糖体との鑑別が容易でなかった。癌細胞なるが故の粒子の偏倚が示唆され, それはディスク電気泳動でみられる偏倚酵素バンドと無関係ではないことが示唆された。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1978-11-01
著者
-
武内 忠男
熊本大学医学部病理学第二溝座
-
宮山 東彦
熊本大・医・病理
-
竹宮 聖隆
熊本大・医・病理
-
武内 忠男
熊本大・医・二病理
-
宮山 東彦
熊本大学医学部病理
-
竹宮 聖隆
熊本大学医学部病理
-
武内 忠男
熊本大学医学部第二病理学教室
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