難治性腎結石に対するureterocalicostomyの1例

概要

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ESWLやEndourologyの発達した今日でも治療困難な欠席は認められる。難治性右腎結石に対してureterocalicostomyを施行し,良好な結果を得たので報告する。「症例」39歳,男性,右腎結石に対してPNLを3回,ESWLを2回,腎盂切石術を施行している。5〜20mm大の結石10数個を認め,IVPにて軽度の水腎症と腎盂尿管移行部の狭窄を認めた。腎盂形成術は困難と判断,1993年9月9日腎下極切除による結石除去の後,下腎杯尿管【】合術を行った。腎動脈阻血後,腎下極実質を切除しした腎杯を十分露出した。実質漸端を止血後,阻血は解除した。下腎杯より最大20mmの他多数の結石を除去し,下腎杯尿管接合術を行った。術後,残石にESWLを追加した。術後4年を経て,水腎症,接合部狭窄,結石の再発を認めておらず,1997年7月のIVP像では十分に開大した接合部が確認された。「考察」下腎杯と尿管の接合は尿流の停滞もなく小結石の通過も妨げず有効な治療法である。しかし腎杯壁は【】弱なため,接合は容易ではなく,接合部狭窄の報告も少なくない。安易に本術式を選択することは慎むべきであるが,適応を限定すれば優れた治療法であると考えられた。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
2000-02-20