腎盂尿管移行部狭窄症に対する尿管切開バルーン装置を用いた治療経験

概要

論文の詳細を見る
(背景と目的)腎盂尿管移行部狭窄症に対する治療法として,アキュサイス尿管切開バルーン装置を用いた逆行性エンドビ***トミーの有用性につき検討した。(対象と方法)腹痛を主訴とした6症例の腎盂尿管移行部狭窄症(男性:3例,女性:3例,年齢6-48歳)を対象とした。軟性尿管カテーテルであるアキュサイス尿管切開バルーン装置(7Fr)を用いた逆行性エンドビ***トミーを硬膜外麻酔下または全身麻酔下(6歳の症例にのみ施行)で施行した。3cmの切開用ワイヤーを用いて電気的に狭窄部の後背側を切開した後に,この部位で最大24Frまでバルーンを10秒間拡張させた。小児例には6/10Fr,成人例には7/14Frのエンドビ***トミー用の尿管カテーテル挿入し,これを術後8週間留置した。経尿道的にこれを抜去しさらに12週間後に腎盂尿管部の通過性を経静脈性腎盂造影で検討するとともに,主訴である腹痛の消失の程度を検討した。(結果)平均手術時間は47(25-90)分で平均術後入院日数は5.3,中央値(3-14,中央値4日)日であった。手術に関して輸血を要した症例や止血目的に緊急開腹手術の必要があった症例はなかった。術後20週目の手術評価では,主訴の腹痛は全症例で消失したが,経静脈性腎盂造影では明かな水腎症の改善が認められたのは4症例(66.7%)であった。(結論)アキュサイス尿管切開バルーン装置を用いた逆行性エンドビエトロトミーは安全で有効な手術方法である事が示唆された。本術式の利点は,内視鏡下の順行性や逆行性エンドビエトロミーに比べて,手術に関わる侵襲性が軽減されている点である。
1997-08-20

腎盂尿管移行部狭窄症に対する尿管切開バルーン装置を用いた治療経験

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク