前立腺集団検診における受診適齢に関する検討

概要

論文の詳細を見る
(目的)前立腺集団検診(集検)の目的を早期前立腺癌,あるいは前立腺全摘術適応となる癌発見に限定して,集検の受診適齢について検討した。(対象と方法)1981年〜94年に群馬県下で行われた前立腺集検受診者を対象とした。1991年までに直腸診(DRE)と前立腺性酸性フォスファターゼ(PAP)により,1992年以後はDRE,前立腺特異抗原(PSA)ならびに経直腸的超音波撮影(TRUS)で行った。(結果)初診者と再診者の割合,診断法,ならびに受診者の年齢構成が癌発見率に影響を与える因子であることを示した。また,早期癌発見に影響を与える因子として,年齢と診断法の可能性があることを示した。本集検の目的を前立腺全摘術の適応となる癌発見に限定して検討した。適応年齢と病期B〜Cを種々の条件で設定し,適齢年齢者だけが受診した時の推定有効癌発見率を算出した。この有効癌発見率は,50〜69歳適齢と病期Bのみを対象とした条件での0.37%が最も低く,55〜74歳と病期(B+C)とした時の0.6l%が最も高かった。この値は他の癌検診における癌発見率と比べて十分に高かった。(結論)試行段階としての前立腺癌集検の受診適齢の下限年齢を50歳として検討を進めることを提案する。適齢上限を74歳までとするならば,十分な受診者教育が必要と思われる。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1996-10-20

前立腺集団検診における受診適齢に関する検討

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク