膀胱刺激症状を有する女子症例の臨床的検討 : 膀胱炎と尿道症候群の比較
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概要
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膀胱刺激症状を主訴に泌尿器科外来を受診した基礎疾患のない女性の臨床的背景を検討した.全体の50.1%(102/200)が膿尿も細菌尿も有さない尿道症候群であった.尿道症候群の年齢分布は40歳台にピークを有する一峰性の分布であったが,膀胱炎群のそれは20歳台と60歳台に二峰性のピークを認め,尿道症候群では加齢に伴う複数の原因を有することが示唆された.尿道症候群の外陰部検査では,尿道スメア中白血球陽性率は全体では48.9%(88/180)であり,特に尿道細菌陽性群では72.7%(16/22)であった.すなわち尿道症候群の原因としては膀胱炎の前段階と思われる尿道炎が少なくないことが考えられた.また尿道症候群における膣と尿道からのC. trachomatis検出率は10〜30歳台の生殖年齢では膣8.8%(3/34),尿道5.9%(2/34)と高率であったが,健常人とは差がなかった.しかし一部症例ではC. trachomatisによる尿道炎や膣炎が膀胱刺激症状の一因と考えられ,C. trachomatisによる感染症も尿道症候群の原因として無視できないと推察された.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1994-12-20
著者
-
熊本 悦明
札幌医科大学医学部泌尿器科
-
広瀬 崇興
札幌医科大学医学部泌尿器科
-
高橋 聡
札幌医科大学医学部泌尿器科
-
小六 幹夫
札幌医科大学医学部泌尿器科学(札幌医大慢性前立腺炎研究会)
-
高橋 聡
札幌医科大学 泌尿器科学教室
-
小六 幹夫
札幌医科大
-
広瀬 崇興
札幌医科大学 医学部泌尿器科学教室
-
熊本 悦明
札幌医科大
-
高橋 聡
札幌医科大学
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