排尿筋の筋電図に関する研究 : 膀胱内圧曲線と筋電図の同時記録による検討

概要

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先に報告した排尿筋筋電図測定のための炭素繊維電極付Nelaton catheterに改良を加え、より無侵襲的で操作の簡単な炭素繊維電極付Foley catheterを試作した。これを用いて91人の被験者に対し延べ100回の排尿筋筋電図と膀胱内圧の同時測定を施行した。得られた排尿筋筋電図と膀胱内圧曲線の時間経過との関連性を検索する目的にて、膀胱内圧曲線を7つの相に分けた。そして各相における排尿筋筋電図の振幅を決定した。次に、膀胱内圧曲線の、(a)努責時の膀胱内圧の上昇程度、(b)膀胱壁complianceの大小、(c)不随意排尿の有無、に基づき個々の対象を正常群と異常群の2群に、又は正常群、異常群と中間群の3群にグルーブ分けした。そして(a)(b)(c)それぞれの正常群と異常群の2群間において、膀胱内圧曲線の各相別に排尿筋筋電図の振幅値の対数変換値について有意差検定(t検定)を行った。その結果、(a)では3、4、5相において、(b)では6相において、(c)では1、2、3、4、5、6、7全相において、両群の間に有意差を認めた。これらの有意差は,ほとんどの場合では正常群が異常群に比べ有意に人として認められたが、(a)の5相と(c)の4相では逆に正常群が異常群に比べ有意に小として認められた。以上の結果から、筆者らの排尿筋筋電図測定法とその分析法は、膀胱に関連する脊髄並びに末梢神経、あるいは排尿筋の病態を忠実に反映していると思われた。
社団法人日本泌尿器科学会の論文

排尿筋の筋電図に関する研究 : 膀胱内圧曲線と筋電図の同時記録による検討

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