前立腺癌剥離細胞診 : 前立腺液採取用特殊カテーテルの使用

概要

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本邦において前立腺癌は着実に増加しつつある。この前立腺癌を早期に発見するには、細胞診が最も有効な診断法の一つといえる。我々は前立腺液採取用カテーテルを考案、この細胞診を行ってきた。通常のバルンカテーテルの先端の穴をバルン基部より2.5cm後方にずらし、膀胱に留置した場合このカテーテル穴が前立腺部に位置するよう工夫した。この前立腺液採取用カテーテルを膀胱に留置、内腔を注射筒にて吸引しつつ前立腺部をマッサージ、前立腺液を採取した。カテーテルおよび注射筒内を生理的食塩水にて洗浄、この洗浄水を遠沈、塗抹標本を作成、パパニコロウ染色にて検鏡した。検査対象は昭和56年1月から58年10月までに福島県立医科大学付属病院泌尿器科を訪れた患者のうち、前立腺疾患が強く疑われた130例である。触診その他から前立腺癌とされた18例中15例、癌が疑われた33例中8例、肥大症とされた49例中3例が細胞診陽性で、これらはのち1例を除いてすべて癌の存在が確認された。一方、最終的に前立腺癌の存在が確認された症例は28例であったが、これらのうち25例(約90%)が細胞診陽性であった。偽陰性例は1例(6%)のみで、当症例はすでに女性ホルモンの投与をうけていた。偽陽性例は確認されなかった。当前立腺液細胞診は簡便にして、きわめて確度の高い前立腺癌診断法と結論される。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1984-08-20

前立腺癌剥離細胞診 : 前立腺液採取用特殊カテーテルの使用

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