超音波カラードプラ法による腎動静脈瘻の診断

概要

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(緒言)腎動静脈瘻の診断における超音波カラードプラ法の有用性について検討した.(対象と方法)1994年から2001年の間に福岡大学泌尿器科で腎動静脈瘻と診断された症例は5例で,後天性が1例(移植腎に対する経皮的針生検によるもの),血尿を主訴としたもの2例,腹部超音波断層法で腎嚢胞性病変を指摘されたもの2例であった.これらの腎動静脈痩5例において,グレースケール法およびカラードプラ法による超音波断層像所見を検討した.(結果)先天性(cirsoid type),特発性(aneurysmal type),後天性の腎動静脈痩の3タイプすべてで動静脈痩による乱流を超音波カラードプラ法により描出できた.(結論)超音波カラードプラ法は腎動静脈痩の診断のみならず,治療の効果判定や経過観察にも有用な非侵襲的な画像診断法である.血尿や腎嚢胞性病変の精査において本法は必須であるが,腎の超音波断層法の際には異常所見がみられなくても,必ずカラードプラ法を観察する習慣をつけておくべきと考えられる.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
2002-07-20