Pseudomonas aeruginosaによる院内感染の研究 : 第2報糞便中Pseudomonas aeruginosaとPseudomonas aeruginosa尿路感染症の関連性

概要

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P. aeruginosa尿路感染症における内因性感染の面から,その感染源として患者糞便中のP. aeruginosaを取りあげ,P. aeruginosa尿路感染症との関連性を検討した。1976年においては,入院時の患者糞便からのP. aeruginosaの検出率は7.9%,退院時14.2%であつた。Polymyxin B(50〜450mg/日)の経口投与は,腸管内P. aeruginosaの消失に有効であり,糞便からP. aeruginosaを検出した時点で可及的polymyxin Bを経口投与した1977〜1978年には,退院時の検出率が入院時より高くならなかつた。入院時に糞便からP. aeruginosaを検出した患者にpolymyxin Bを経口投与した結果,それらにおいては入院中のP. aeruginosa尿路感染症の頻度は低率であつた。入院中の抗菌剤の服用は,P. aeruginosaが腸管内に定着するにいたらせる要因であつた。1976〜1978年では尿由来P. aeruginosaの血清型別はtype C,E,Gが多く,糞便由来株ではtype B,E,Gが多かつたが,年度によつてその分布が変化していた。また両者の血清型別頻度の推移は一致していた。入院中に糞便と尿からP. aeruginosaを検出した症例は35例あり,このうち両者の血清型が一致した症例は11例であつた。いずれも尿路カテーテル留置症例であつた。P. aeruginosaのgentamicin,tobramycin,amikacin,polymyxin B感受性では薬剤間および由来別に著明な差はなかつた。P. aeruginosaのprotease,elastase産生株の頻度は高率であつた。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1982-09-20

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