津軽十三湖及び周辺湖沼の成り立ち
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概要
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最終氷期の著しい海面低下により, 岩木川の下刻作用が及んで南北に延びる峡谷が作られた。後氷期の海面上昇に伴う峡谷への海進が始まって十三湖の湾入が出現し, ここに岩木川による堆積作用が波及して谷の埋積が進み, 津軽平野が形成されていった。十三湖は, 常に内湾の環境下で第四紀火山群に起源する堆積物の受容体として存続し, 堆積作用と海面上昇が均衡して河口三角州の成長がほぼ飽和状態になった現在, 汽水湖として最も閉塞された状況にある。湖とその周辺での詳細な試錐調査により, 十三湖の歴史の大部分が内湾の環境下で作られ, 現在みる閉塞性の強い湖の状況は浜堤状砂丘の発達によりもたらされた事実が明らかとなった。十三湖の周辺には過去度々津波が押し寄せた経緯が有り, 650年前に発生した巨大津波による海浜砂州の出現によって, 十三湖は最終的に閉塞湖となった。
- 1990-11-30
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