昭和基地におけるエーロゾルの化学成分
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概要
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南極昭和基地, 環境科学棟の北東30mでミリポアフィルター(径47mm, 孔径0.45μm)上にエーロゾル試料をエアポンプで10∿30m^3の大気を吸引し採取した。これらのエーロゾル試料について, フレームレス原子吸光法によりAl, Fe, Mn, Zn, Cuの微量元素を測定した。これら各元素濃度のAl濃度に対する比を, MIYAKE (Elements of Geochemistry, Maruzen, 290p, 1965)の平均地殻組成のデータを基に, 地殻の各元素濃度のAl濃度比で割って濃縮係数(E_<crust>)を求め, ZOLLER et al. (Science, 183,199,1974), DUCE et al. (Science, 187,59,1975)の南極点, 北大西洋上での測定値と比較した。Fe, Mn, Zn, Cuの濃縮係数は南半球の昭和基地, 南極点, 北半球の北大西洋上で同オーダの興味ある結果を得た。濃縮係数が10以下のFe, Mnについては, エーロゾル中のこれら元素の起源は地殻物質であると考えられる。しかし, 濃縮係数が10^2∿10^3のZn, Cuについては地殻物質起源では説明困難である。1つの可能な起源として, 化石燃料の燃焼によるものではないかと考えられる。
- 国立極地研究所の論文
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