秋田・山形地域における新第三系の層序と古地理・古環境

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概要

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秋田・山形地域の新生界の層位学的研究成果にもとづいて, 新生代の古地理・古環境の変化を考察した。秋田・山形地域には, 前期中新世末に海水が広範に進入した。この時期の海底は非常に起伏に富んでいたが, 中期中新世前期の中頃に出羽丘陵が急速に沈降して, 全域が沈水した。引き続く中期中新世中期には日本海は主として北方のみに開いた海となり, 以後この状態が基本的に維持された。海岸線は, その後, 後期中新世に脊梁山脈が, そして鮮新世に出羽丘陵が隆起に転じたため, 順次西側に移動し, あわせて浅海堆積相が支配的になる。しかし, 男鹿半島地域で大陸棚の底生有孔虫群集が出現するのは中部更新統鮪川層以上のことであり, この地域における浅海化の遅れが明かになった。
1992-03-15

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