九州北東部, 鶴見火山の最近3万年間の噴火活動
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概要
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鶴見火山は九州北東部に位置し, 溶岩ドームと溶岩流からなる成層火山である.山体周辺には, 鶴見火山起源の複数のテフラが分布している.本論文では, これらテフラの分布・層序および^<14>C年代測定による噴火年代から, 鶴見火山の最近3万年間の噴火活動について検討し, 歴史時代の噴火についても考察した.鶴見火山は, 29〜7.3 cal ka BPに溶岩の噴出を主体とする噴火を繰り返し, 10.5 cal ka BPの噴火では, ドーム崩壊型の火砕流が発生した.それ以降は, 1.8 cal ka BP, 1.2 cal ka BP, 1.0 cal ka BPに噴火が発生したが, 溶岩の噴出を伴わない小規模な噴火であった.歴史時代の噴火記録として, 711年と867年の噴火が古文書に記されている.これらの噴火は, 地質学的なデータと古文書の記述の解釈から, 1.2 cal ka BPと1.0 cal ka BPに伽藍岳で発生した水蒸気噴火に対応すると考えられる.
- 日本地質学会の論文
- 2002-01-15
著者
-
奥野 充
福岡大学理学部地球圏科学教室地球科学分野
-
中村 俊夫
名古屋大学年代測定総合研究センター
-
奥野 充
福岡大・理
-
小林 哲夫
鹿児島大学理学部地球環境科学教室
-
小林 哲夫
鹿児島大学大学院理工学研究科地球環境科学専攻
-
中村 俊夫
名古屋大学アイソトープ総合センター
-
藤沢 康弘
鹿児島大学
-
藤沢 康弘
応用地質株式会社九州支社
-
小林 哲夫
鹿児島大学
-
小林 哲夫
鹿大理
-
奥野 充
福岡大 理
-
小林 哲夫
鹿児島大学理学部
-
奥野 充
福岡大学理学部
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