高縄半島に分布する瀬戸内火山岩類の古地磁気方位とK-Ar年代 : 西南日本の時計回り回転運動への制約
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
北西四国高縄半島の安山岩類6サイト試料について古地磁気方位を求め, 1試料については, 新たにK-Ar年代を求めた.これらの安山岩は, 12 Ma程度の年代の1試料, 約15 Maから14 Maの範囲の4試料, 15.8±0.2 Maの1試料の3つの年代グループに区分できる.最も古い年代を示した試料からは, 偏角52.2°の有意に東偏した残留磁化方位が得られた.また約15 Maから14 Maの範囲に入るグループと, それよりも新しい年代を持つ安山岩の古地磁気方位は, 現在の双極子磁場方向と比べて有意な差がなかった.これらのデータと瑞浪・可児層群に関する既存データを相補的に組み合わせることにより, 中期中新世における西南日本ブロックの時計回り回転の開始以前から終了までの全体像を見ることができ, 西南日本ブロックの回転は, 約16 Maに開始し, 約15 Maから14 Maには終了したと考えられる.
- 日本地質学会の論文
- 2001-12-15
著者
-
鳥居 雅之
岡山理科大学生物地球システム学科
-
鳥居 雅之
岡山理科大学
-
角井 朝昭
産業技術総合研究所地質情報研究部門
-
嶋田 光雄
京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻:(現)中国四国農政局農村計画部資源課
関連論文
- 中国蘭州の黄土堆積層のメスバウア-効果の測定によるユ-ラシア大陸内部の第4紀の古気候の復元の試み
- オホーツク海完新世堆積物の岩石磁気学的研究 : 北海道網走沖北見大和堆周辺で採取された2本のコア試料
- 紀伊半島北部の室生火砕流堆積物と周辺に分布する凝灰岩の対比およびそれらの給源 : 軽鉱物屈折率を用いたモード分析によるアプローチ(紀伊半島における中新世火成作用とテクトニクス)
- ジルコンのフィッション・トラック年代と特徴からみた室生火砕流堆積物と熊野酸性岩類の同時性と類似性(紀伊半島における中新世火成作用とテクトニクス)
- 紀伊半島中新世珪長質火成岩類の全岩組成の広域的変化(紀伊半島における中新世火成作用とテクトニクス)
- 岩脈中の花こう岩質包有物のジルコンU-Pb年代から推定される奈良県吉野地域の中央構造線南方に伏在する中新世花こう岩質岩体
- P05 雲仙科学掘削 USDP-2 のコア層序
- 紀伊半島大峯花こう岩質岩から見いだされたMgに富む火成包有物
- 室生火砕流堆積物の全岩化学組成 : その給源への手掛り
- 熊野井内浦掘削コアから推測する中期中新世熊野酸性岩北岩体の垂直構造と定置過程
- 高縄半島に分布する瀬戸内火山岩類の古地磁気方位とK-Ar年代 : 西南日本の時計回り回転運動への制約
- P-14 東赤道太平洋深海底堆積物の古地磁気学的・岩石磁気学的研究(4.地域地質・地域層序,口頭およびポスター発表,一般講演)
- 環境磁気学 : 堆積物中の磁性粒子が示す環境変動
- 環境磁気学 : レビュー
- O-231 脆性破壊から塑性変形領域に至る温度変化に伴う長石(Anorthite)粒子の摩擦特性変化について(19. 岩石・鉱物の破壊と変形(液晶有),口頭発表,一般講演)
- オホーツク海完新世堆積物の岩石磁気学的研究 : 北海道網走沖北見大和堆周辺で採取された2本のコア試料
- 地質情報統合化推進室による, 地質情報共有保管システムの要件定義・試作・試験運用 : データの採掘・精錬・加工から, コンテンツの組み立て・配送・流通までを一貫して下支えする, 情報資産倉庫を目指して