リン酸四カルシウム-クエン酸-マロン酸硬化体 : 生体活性セメントとしての可能性
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概要
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新しい硬化体は, リン酸四カルシウム粉末とクエン酸-マロン酸水溶液の練和で試作された.(1)粉液比=1.3(g/g)での練和泥は, 表面のpHが迅速に中性領域に近づきながら, 3〜4分以内に硬化した.(2)粉液比=1.3以上での硬化体は, 歯科用あるいは骨セメントとして実用可能な強度を得た.(3)硬化体は, 蒸留水中では少量がアパタイトに転化し, この反応はpH=8.0のリン酸緩衝液中だと速くなり, 1日以内で完全な転化が終了した.(4)硬化体の溶出液(蒸留水中, ca.2wt%)の凍結乾燥残渣は, 非晶物質だった.しかしながら非晶物質もまた, pH=8.0のリン酸緩衝液中で完全にアパタイトへ転化した.これらの事実は, 生体活性な歯科用あるいは骨セメントとしての, 本硬化体の可能性を示唆した.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1987-07-25
著者
-
杉原 富人
新田ゼラチン(株)
-
大土 努
阪大・歯・小児歯
-
杉原 富人
新田ゼラチン株式会社研究開発室
-
楽木 正実
阪大・歯・小児歯
-
萬代 佳宣
新田ゼラチン(株)生物化学研究所
-
萬代 佳宣
株式会社アドバンス歯科学研究所
-
嶋田 真次
株式会社アドバンス歯科学研究所
-
杉原 富人
株式会社アドバンス歯科学研究所
-
赤松 伸
株式会社アドバンス歯科学研究所
-
岸田 育恵
株式会社アドバンス歯科学研究所
-
山田 真弓
株式会社アドバンス歯科学研究所
-
豊岡 京子
株式会社アドバンス歯科学研究所
-
大土 努
大阪大学歯学部小児歯科学講座
-
楽木 正実
大阪大学歯学部小児歯科学講座
-
萬代 佳宣
大阪歯科大学 口腔治療
-
Sugihara Fumihito
Nirra Gelatin Inc., Peptide Division
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