リン酸4カルシウムセメントとα-リン酸3カルシウムセメントの比較 : 1.pH, 崩壊率および破砕抗力の変化
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概要
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本研究では, リン酸カルシウム系の4CPセメントおよびα-TCPセメントの物理化学的性質について, 硬化液を45%クエン酸水溶液, 粉液比を1.5の条件で比較検討し, 以下のような結果を得た.セメントの酸性度を調べるために, セメント表面に滴下した蒸留水0.5mlのpHを測定した.4CPセメント, α-TCPセメント, リン酸セメントおよびカルボキシレートセメントの中で, セメント練和泥表面のpHは, 4CPセメントが最も高かった(pH4.75〜5.23).α-TCPのpH(pH4.02〜4.22)は, 最もpHの低かったリン酸セメント(pH3.29〜3.62)より高く, カルボキシレートセメント(pH4.14〜4.62)よりやや低かった.このことから, 4CPセメントは歯髄をほとんど刺激しないことが推察された.4CPおよびα-TCPセメントの破砕抗力は, 各々50.0と74.9MPaであり, カルボキシレートセメントのADA規格No.61を満たしたが, 崩壊率は, 1.8と4.0%であり規格を満たさなかった.生体内でのセメントの経時的変化を推察するために, リン酸緩衝塩類溶液中にセメント硬化体を浸漬した場合, 崩壊率は蒸留水中よりやや大きかったが, 浸漬期間中破砕抗力の低下はなかった.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1988-01-25
著者
-
祖父江 鎮雄
大阪大学 歯 小児歯科
-
大土 努
阪大・歯・小児歯
-
祖父江 鎮雄
大阪大学歯学部小児歯科学講座
-
小村 隆志
大阪大学歯学部小児歯科学講座
-
楽木 正実
阪大・歯・小児歯
-
大土 努
大阪大学歯学部小児歯科学講座
-
楽木 正実
大阪大学歯学部小児歯科学講座
-
小村 隆志
こむら小児歯科・矯正歯科
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