カルシアの水和反応時にみられる硬化膨張の炭酸ガス制御法に関する研究
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概要
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ジルコニアを基材とし, 結合材として5%のカルシアを添加した埋没材の, 硬化膨張機構を解明し, 炭酸ガス雰囲気による硬化膨張の制御法について検討した.カルシアは水と反応して水酸化カルシウムを生成し, その際に膨張を示すが, これを空気中に放置しておくと未反応の残留カルシアの水和反応が数日に亙って継続し, その結果, 過大な膨張を示すようになる.カルシアのスラリーを炭酸ガス雰囲気中で硬化させると, 水酸化カルシウム以外に多量の炭酸カルシウムが生成され, これによって, 未反応カルシアの水和反応が抑制され, 硬化膨張を制御することが可能になった.ジルコニア基カルシア結合埋没材を, 炭酸ガス中で硬化させた時の, 硬化膨張と熱膨張の合計は1.5〜2.5%の範囲で任意に選択することができた.カルシアは, 水和反応による自硬性, 硬化膨張, 熱膨張, 強度, 耐熱性などを総合して判断すると, 超高温鋳造用埋没材の結合材として有望であると考えられた.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1989-07-25
著者
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西村 文夫
東京医科歯科大学第一歯科理工学教室
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亘理 文夫
東京医科歯科大学第一歯科理工学教室
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野本 直
医歯大・歯・理工I
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野本 直
東京医科歯科大学第一歯科理工学教室
-
野本 直
東京医科歯科大学教授
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西村 文夫
東京医科歯科大学 歯 第1歯理工
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