チオバルビツル酸モノマーによる金属の表面処理 : MMA-PMMA/BPO-アミン系レジンの接着耐久性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
歯科用金属に対するMMA-PMMA/BPO-アミン系レジンの接着性を高めるための表面処理剤として, チオバルビツル酸モノマーである5-アリル-2-チオバルビツル酸および5-(4-ビニルベンジル)-2-チオバルビツル酸(5VS)を用いた.表面処理剤は5ASあるいは5VSをメタクリル酸メチル, アセトン, エタノールなどの溶媒に溶解させることにより調製した.被着体として7種類の歯科用金属を用いた.表面処理剤を鏡面研磨した被着体表面に塗布した後, 1日放置した.表面処理剤中のチオバルビツル酸の濃度が高い場合(1.0mol%)には, レジンの接着に先立って, 表面に残っているチオバルビツル酸をアセトンで洗い流した.2個の被着体同士をレジンで突き合わせ接着させた.4℃と60℃の水中での熱サイクルを2, 000回負荷してから, 引張接着強さを測定した.すべての場合において, 5ASよりも5VSを含む表面処理剤のほうがより効果的であった.5VSの表面処理剤を用いると, パラジウム合金や銀合金に対するレジンの接着強さが, それぞれ0.001mol%または0.01mol%の低濃度においても効果的に高められた.非貴金属合金やチタンに対するMMA-PMMA/BPO-アミン系レジンの接着強さは, TBBOを重合開始剤としてレジンを硬化させた場合とは逆に, 0.001mol%の5VSよりも0.01mol%の5VSで処理したほうが高くなった.
- 1995-07-25
著者
関連論文
- P-39 レドックス系重合開始剤を用いたフッ素系接着性レジンの接着耐水性(接着,一般講演(ポスター発表))
- P-28 フッ素系の接着性レジンによる純金の接着(接着1,一般講演(ポスター発表),第54回日本歯科理工学会学術講演会)
- ユージノールおよびその関連化合物とりん脂質リポソームとの相互作用のDSC, NMRスペクトルによる研究
- スルフィド結合を有するモノマーにより表面処理した歯科用合金に対するMMA-PMMA/TBBOレジンの接着性
- 親水性モノマーを利用した象牙質の接着 : モノマーの性質と接着の関係
- P-39 レドックス系重合開始剤を用いたフッ素系接着性レジンの接着耐水性(接着,一般講演(ポスター発表),第55回日本歯科理工学会学術講演会)
- チイラン系二官能性モノマーで表面処理した貴金属合金に対するレジンの接着強さ
- スチレン系チイランモノマーを用いた貴金属合金へのレジンの接着
- BPO(AIBN)-MMA重合システムにおける誘導期間と初期重合速度に及ぼすビタミンAおよびβ-カロチンの影響
- BPOによるメチルメタクリレート重合におよぼすビタミンEの影響