生体膜モデルとしてのリポソームに及ぼすフェノール系消毒薬(FC, CC)の影響
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概要
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リポソームは生体膜における薬物の作用機構を明らかにするためのモデルとして広く研究されている.Formocresol(FC)やCamphor carbor(CC)などのフェノール系消毒薬と膜脂質の相互作用の研究は少ない.我々は, これらの化合物がホスファチジルコリン(PC), ジミリストィルおよびジパルミトィルPC, ジミリストィルおよびジパルミトィルホスファチジルエタノールアミン系リポソームに及ぼす影響を, 450nm吸光度および示差走査熱量計(DSC)で研究した.これらの結果FC, CCは希釈度によって2相性変化を示し, turning pointがあった.この濃度はFC希釈度1/10^3, CC 1/80-1/166であった.高濃度では, リポソーム膜の不安定化が生じ, 相転移温度(T), エンタルピー(ΔH), エントロピー(ΔS), 高さ/半値幅(H/HHW)の減少がみられた.CCはフェノールより相互作用が大きかった.フェノール類の生体膜損傷機構が論ぜられた.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1985-11-25
著者
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門磨 義則
東京医科歯科大学医用器材研究所生体機能材料部門
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門磨 義則
東京医科歯科大学 歯
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藤沢 盛一郎
東京医科歯科大学歯学部総合診断部
-
増原 英一
東医歯大・医用研・有機
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増原 英一
東京医科歯科大学医用器材研究所有機材料部門
-
増原 英一
東京医科歯科大学
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