保育の中に隠された価値観の日仏比較 : 乳児保育をめぐって

概要

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保育所で保育者の日常の保育活動を通して、ごく幼い年齢から、どんな価値が子どもに伝えられているだろうか。乳幼児の基本的な要求の表れに文化はどれくらい重みをもっているのか?異なる状況に於ける保育活動の比較は、その文化的な基盤の説明を明らかにするのではあるまいか?このような疑問から私は、ボドロ、星、高橋と共に、乳児期の教育の日仏比較研究に携わることになった。この研究は、フランスと日本の公立保育所各6箇所で行われた。次のようなデータの組み合わせに拠って分析されている。1)両国の保育に関する公式文書。2)乳児の日常生活のビデオ観察。3)観察した保育所の職員による、自身の実践に対する発言、および相手国のビデオ(20分のモンタージュ)に対する発言。フランスの保育システムについて簡単に紹介した後、私は、登園時、遊び、おむつ替えと清潔、食事、睡眠の場面に焦点を当てて、この比較研究の主要な結果を発表する。そしてこのなかに隠れているいくつかの考え方、たとえば家庭生活と保育所生活の補完性、自立と依存他を問題とする。
日本保育学会の論文
2002-04-20