自然な発話に対するアプローチ : 現状と今後の研究課題
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概要
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自然な発話(spontaneous speech)に対してどのようなアプローチを取るかは,各々の研究者が「自然な発話」をどのようなものとして認識しているか,という様々な"「自然な発話」像"に依存する.本稿では,これまで「発話」はどのようなものとして認識されてきたかを「発話生成の研究」の流れを辿りながら概観してみたい.また,発話生成研究の流れに対比させながら,発話を解釈するためのアーキテクチャの研究の流れと今後の研究課題を探りたい.特に,これまでのアプローチが基本的に「情報処理的なアプローチ」に基づいていることを指摘し,例えば「創発的な振舞い」という観点から,「自然な発話」における様々な振舞いを見直してみる.そして,それらの「自然な発話」像に基づいて,今後の「自然な発話」に対する研究課題を整理してみたい.また,我々はこれまで「協応構造」を中心的な概念として捉え,「聞き耳をたてるコンピュータ」,「口ごもるコンピュータ」の研究を進めてきた.「聴く」ということ,「話す」ということ,「対話」,「マンマシンインタラクション」について,我々の新たなアプローチについて簡単に紹介したい.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-05-20
著者
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