過酸化物質測定用酸化還元呈色試薬
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概要
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過酸化物質を検出あるいは測定するために用いられる試薬を検索した.過酸化脂質あるいはキューメンヒドロペルオキシド(以下CHPOと略記)など有機過酸化物質は,銅あるいは鉄イオンのような2種以上の原子価を持つ金属イオンすなわち遷移金属が中間電子運搬体として共存するとき,容易に被酸化呈色性試薬を酸化して色素を形成させ,これを比色定量することにより過酸化物質を検出あるいは定量することができることを見いだした.被酸化呈色性試薬としてはペンジジンあるいはオルトトリジンなど通例の試薬も用いられるが,検索の結果取り扱いが便利で安定な新しい試薬も発見した.すなわち,4-アミノアンチピリン(以下4-AAと略記)とジメチルアニリン又はN-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルアニリン(以下EHMAと略記)の組み合わせに硫酸第一鉄アンモニウムを触媒として微量存在させる場合,又は4-AAに代えて,3-メチル-2-ペンゾチアゾリノンヒドラゾン(以下MBTHと略記)を用いる組み合わせである,反応の至適域は4-AAを用いる場合,水溶液でpH4.0,アルコール溶液では見掛けのpH3.5付近にあり,MBTHを用いる場合,水溶液,アルコール溶液ともpH4.5付近であるが空試験値が高く測定に際しては空試験値の低いpH4.0付近で行うのが適当と思われる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1979-07-05
著者
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花田 寿郎
和光純薬工業(株)臨床検査薬研究所
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徳田 邦明
和光純薬工業(株)大阪研究所
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笠原 閑
和光純薬工業(株)大阪研究所
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山西 一彦
和光純薬工業(株)大阪研究所
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三須 清
和光純薬工業(株)大阪研究所
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菅野 正彦
和光純薬工業(株)大阪研究所
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花田 寿郎
和光純薬工業 大阪研
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徳田 邦明
和光純薬工業
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