誘導結合プラズマイオントラップ質量分析計を用いる生体試料中の鉄及びセレン測定時のスペクトル干渉の低減
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概要
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イオントラップ型質量分析計を採用している誘導結合プラズマ三次元四重極質量分析計を用いて, 生体試料中のFe及びSeに関するスペクトル干渉を低減し, 生体試料中のFe及びSeの測定を行った.三次元四重極質量分析計(3DQMS)のイオンレベルとfiltered noise field (FNF)機能を最適化することにより, ^<78>Se^+, ^<80>Se^+, ^<82>Se^+に対するAr_2^+, ^<31>P_2^<16>O^+, ^<32>S^<16>O_3^+及び^<12>C^<35>Cl_2^+のスペクトル干渉は低減できた.^<40>Ar_2^+を低減した結果, ^<80>Seにおけるダイナミックレンジは100ppt∿100ppmの7けたで, 検出限界は11pptを達成した.3DQMSのcollision induced dissociation (CID)機能を使用することにより, ^<40>Ar^<16>O^+, ^<40>Ca^<16>O^+及び^<79>Br^1H^+, ^<81>Br^1H^+のスペクトル干渉を低減した.Fe及びSeの信号強度及び同位体比から求めたCIDの最適条件は0V, 500msであった.イオンレベル, FNF及びCIDの最適条件の下で, ヒト尿標準物質(NIES CRM 18及びSeronorm 2524)中のSeを定量した結果, 誤差範囲内で参照値と一致した.また, ヒト尿標準物質(Seronorm 2524)中のFeの添加回収実験を行った結果, 101%の回収率を得ることができた.本法を用いることで, 生体試料中のFe及びSeを天然同位体比の最も大きい^<56>Fe及び^<80>Seを用いて定量することができた.
- 2005-05-05
著者
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