HPLC-ICPMSを用いたSpecies-unspecific及びSpecies-specific同位体希釈分析法によるセレンイースト標準物質中のセレノメチオニンの定量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
セレンイースト標準物質(SELM-1, National Research Council of Canada製)中のセレノメチオニン(SeMet)の定量を行い,抽出手法の検討を行った.また高速液体クロマトグラフィーをオンラインで接続した誘導結合プラズマ三次元四重極質量分析計(HPLC-ICP3DQMS)を用いたspecies-unspecific及びspecies-specificな同位体希釈分析法(isotope dilution analysis, IDA)によりSELM-1中のSeMetの定量を行った.そして,結果を比較することで2種類のIDAの評価を行った.SeMetの抽出には,Lipase Type VII(Sigma Chemicals. St, Luis, MO, USA)及びProtease Type XIV(Sigma Chemicals, St. Luis, MO, USA)を用いて24時間酵素分解を行う方法が,適していることが確認された.ただし,前処理操作中にSeMetの分解が確認された.SELM-1中のSeMetの測定値は,species-unspecific IDAが3040±77 μg g-1,species-specific IDAが3154±82 μg g-1であり,保証値(3448±146 μg g-1)とそれぞれ4σ,2σ以内で一致したことから,安定同位体を濃縮した化合物が合成できる場合はspecies-specific IDAを用いる方がよいと結論づけた.
著者
-
鈴木 美成
中央大学理工学部応用化学科
-
古田 直紀
中央大学理工学部応用化学科
-
篠原 厚子
順天堂大学医学部衛生学
-
松川 岳久
順天堂大学医学部
-
山本 貴雄
中央大学理工学部応用化学科
-
向井 達也
中央大学理工学部応用化学科
-
篠原 厚子
順天堂大学医学部
関連論文
- 改良型イミノニ酢酸キレート樹脂をオンライン濃縮カラムに用いる海水中希土類元素のICP-MS定量法の開発と東京湾海水試料への応用
- 3A1116 大気エアロゾル中アンチモンの発生源解析(5物質-2粒子状物質,一般研究発表)
- ***の健康感 : 体型と食に関するアンケート結果
- ウランの生体影響 : 腎毒性を中心に(平成16年度順天堂大学学長特別共同プロジェクト研究成果抄録)
- HPLCによる血中プロトポルフィリン測定法の検討 : 標準液調製の協定と4施設での血液試料の測定結果の比較
- メチル水銀の毒性発現抑制におけるD-セレノメチオニンの有用性と安全性の検討(平成19年度環境医学研究所プロジェクト研究成果報告書抄録)
- 人工関節に含有される重金属の溶出と股関節全置換術後のゆるみに関する検討(平成14年度順天堂大学医学部プロジェクト研究成果抄録)
- ボロン化合物封入トランスフェリン-PEG-リポソームによる中性子捕捉療法
- 高速液体クロマトグラフィー/コリジョンセル誘導結合プラズマ質量分析法によるヒト尿中のヒ素化合物のスペシエーション
- 尿中ポルフィリン排泄からみた中国の家屋内石炭燃焼によるヒ素中毒