In vivo炭素-13核磁気共鳴法によるラット脳内グルコース代謝の解析(<特集>バイオアナリティカルケミストリー)

概要

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In vivoにおける糖代謝動態の非侵襲的検索を目的として,小動物に^<13>C濃縮グルコースを投与し,^<13>C-NMR測定によって脳内グルコースの消長や代謝を経時的に観察した.NMRプローブとして表面コイル型C/Hデュアルプローブを用い,単一のコイルで^1Hデカップリングと^<13>Cシグナルの検出を行った.天然存在比では脂質やタンパク質のシグナルが観察され,グルコースのシグナルは認められなかった.[1-^<13>C]グルコース投与によりα-グルコース及びβ-グルコースのClシグナルがそれぞれ93ppmと97ppmに観察され,[1-^<13>C]グルコースの代謝により生成したグルタミン酸C2,C3及びC4に帰属されるシグナルも検出された.吸気酸素濃度6%の低酸素条件では,乳酸のC3シグナルが増大し,又,β-グルコースのシグナル強度が維持されているのに対して,α-グルコースのシグナル強度は減少した.以上,in vivoにおける^<13>C-NMR測定の技術とその代謝研究への応用について論ずる.
1989-11-05