水酸化ジルコニウム共沈分離-蛍光X線分析法による温泉水中のヒ素及びアンチモンの同時定量
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概要
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温泉水中のヒ素及びアンチモンを水酸化ジルコニウムを用いて共沈し,XRF分析で同時に定量する方法について検討した.ヒ素及びアンチモンは,試料液量100mlに,ジルコニウム10mg を添加し,pH9で定量的に共沈捕集することができた.温泉水中のヒ素及びアンチモンは共沈時に共存物質による影響を受け,ヒ素(V)及びアンチモン(V)は,回収率が低下するので,還元剤を添加する方法を検討した.その結果,臭化カリウム1g,塩酸lmlを加え80℃で1時間加熱処理し,ヒ素(V)及びアンチモン(V)をヒ素(III)及びアンチモン(III)に還元することで温水中の共存物質による妨害の影響を取り除き,ヒ素及びアンチモンを定量的に共沈させることができた.本法による検量線はヒ素及びアンチモンともに,0〜200μgの範囲で良好な直線性を示し,検出限界値は試料液散100mlでヒ素0.3μg,アンチモン6.1μgであった.本法により各地の温泉水中のヒ素及びアンチモンの濃度を測定した結果,還元気化AASを用いて測定した値とも良く一致し,本法により温泉水中のヒ素及びアンチモンを簡便に精度良く同時に定量できることが分かった.
- 1987-02-05
著者
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