5-クロロ-2-チオフェンアルデヒド-2'-ベンゾチアゾリルヒドラゾンによるコバルトの抽出吸光光度定量
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概要
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5-クロロ-2-チオフェンアルテヒド-2'-べンゾチアゾリルヒドラゾン/(以下CTBHと略記)とコバルトとの錯形成反応について検討し,微量コバルトの抽出吸光光座定量法を提案した.コバルト錯体はpH5以上で生成し,pH7.2〜9.1の範囲でベンゼンに定量的に抽出される.錯体の吸収曲線はベンゼン中で423nmに極大を有し,抽出された錯体は非常に安定で,その組成は1:3であった.錯体中のコバルトの原子価はNMRスペクトルにより3価と推定された.波長423nmにおけるモル吸光係数は7.4×10^4lmol^<-1>cm^<-1>であり,吸光度0.001に対する感度は7.9×10^<-4>μg Co/cm^2であった.銀(I),アルミニウム(III),クロム(III),銅(II),鉄(III),水銀(II),ニッケル(II),バナジウム(IV),亜鉛(II),アンモニウム塩,リン酸塩,クエン酸塩はコバルトの定量を著しく妨害する.これらのうち,アルミニウム(III),鉄(III)による妨害は酒石酸塩の添加により,又銀(I),銅(II),水銀(II),ニッケル(II),バナジウム(IV),亜鉛(II)による妨害は抽出液を酸洗いすることにより除去することができた.本法をマンガンノジュール中のコバルトの定量に応用し,満足できる結果が得られた.
- 1977-10-05
著者
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