ロングトーチの使用による軸方向観測水平誘導結合プラズマ発光分析法の感度の改善
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概要
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ロングトーチを用い, 高分解能エッシェル分光器で, 水平の誘導結合プラズマ(ICP)の軸方向観測(エンドオン測定)を行った.波長範囲210〜770nmに入る24元素についてロングトーチと通常トーチの分析性能を比較検討した.通常トーチの場合に比べ, 発光強度が増加するとともにバックグラウンド強度は30%以上低下し, 正味の発光強度は20〜40%増加した.その結果, S/σ(バックグラウンド強度の標準偏差に対する発光強度の比)及びBECが著しく改善された.検出限界の改善は1.5倍(Be)〜6.9倍(Al)であった.他方, 繰り返し精度及びダイナミックレンジ(5けた)は通常トーチの場合とほぼ同じであった.又, カルシウムの分析線に対するナトリウムの干渉はロングトーチ, 通常トーチのいずれの場合にも見られ, リン酸の影響は双方のトーチとも現れなかった.ロングトーチを使用して多元素を含む標準試料(NIST SRM 1643c)を直接定量し, 認証値とほぼ一致する良好な結果を得た.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1996-11-05
著者
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長谷川 良佑
科学技術庁金属材料技術研究所
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中村 佳右
科学技術庁金属材料技術研究所
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長谷川 良佑
金属材料技術研究所
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中村 佳右
独立行政法人物質・材料研究機構
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高橋 旦征
科学技術庁金属材料技術研究所
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