一滴溶媒濃縮/黒鉛炉原子吸光法による水試料中の水銀の定量
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概要
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水試料中の超微量水銀を黒鉛炉AASにより定量するため, 1,5-ジフェニルチオカルバゾン-四塩化炭素溶液で溶媒抽出した後, 有機相に微少量の高沸点溶媒を添加して四塩化炭素を揮発除去し, 残留した高沸点溶媒へ濃縮する高倍率濃縮法の適用を検討した.高沸点の水溶性溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO)を用いたところ, 黒鉛炉AAS測定において感度が高くなり, 原子吸光シグナルの再現性も良くなった.又, 抽出時の有機相を3ml, DMSOの添加量を0.1mlとすることで15000倍までの濃縮が可能となり, 水試料中にng/lレベルで存在する水銀の定量が可能となった.試料水1000mlを用い, 酸化分解を行って全水銀として, 最終的にDMSO 0.1mlに10000倍濃縮した場合の検出限界(3σ)は0.4ng/lであった.本法を降水及び河川水試料に適用した.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1994-11-05
著者
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