キレート樹脂濃縮を併用した多元素同位体希釈/誘導結合プラズマ質量分析法による河川水中銅, カドミウム, 鉛の定量

概要

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キレート樹脂濃縮を併用した同位体希釈(ID)/誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)により河川水中Cu, Cd及びPbの同時定量を行った. Cu, Cd, Pbの濃縮同位体スパイクとして^<65>Cu(^<63>Cu, 0.3%;^<65>Cu, 99.7%), ^<111>Cd(^<110>Cd, 0.63%; ^<111>Cd, 96.44%; ^<112>Cd, 1.82%; ^<113>Cd, 0.43%; ^<114>Cd, 0.59%; ^<116>Cd, 0.10%), ^<206>Pb(^<204>Pb, 0,0342%; ^<206>Pb, 92.1497%; ^<207>Pb, 6.5611%; ^<208>Pb, 1.2560%)の混合溶液を河川水試料に添加し, 一晩放置することにより同位体平衡を達成させた. 河川水中にCu, Cd, Pbは特に低濃度で存在しているため, pH 9の回収条件でキレート樹脂濃縮を行った後, 溶液中の^<63>Cu/^<65>Cu, ^<114>Cd/^<111>Cd, ^<208>Pb/^<206>Pbの同位体比を同時測定した. この条件では濃縮時にCdがほぼ100%回収されるのに対しMoはほとんど回収されないため, ICP-MS測定において^<95>Mo^<16>Oと^<98>Mo^<16>Oによる^<111>Cdと^<114>Cdへの多原子イオン干渉は除去される. この結果, 日本分析化学会より頒布されている河川水標準物質(JAC0031)及び木曽川河川水中Cu, Cd, Pbを同位体希釈/ICP-MS法により精度良く同時定量することが可能になった.
社団法人日本分析化学会の論文
2001-06-05