ガスクロマトグラフィー/負イオン化学イオン化質量分析法によるアルキルフェノール類の定量
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概要
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外因性内分泌撹乱物質として疑われているアルキルフェノール類7種について, ペンタフルオロベンジル(PFB)誘導体とし負イオン化学イオン化(NICI)法を用いるガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)による分析法を確立した. まず, アルキルフェノール類及びそのPFB誘導体について, 電子イオン化(EI)法及びNICI法を用いる選択イオン検出法(SIM)により検出限界の比較を行った. PFB誘導体のNICI-SIM法ではモニターイオンとして各化合物のベースピークである(MPFB)^-イオンを用い, また試薬ガス(メタン)流量及びイオン源温度の最適条件を検討し, それぞれ2.5ml/min及び250℃とした. EI-SIM法では, PFB誘導体とすることで誘導体化せずに測定した場合より2.1〜6.3倍の感度を示し, 更にMB誘導体のNICI-SIM法では67〜300倍もの高い感度を示した. MCI-SIM法による各アルキルフェノール類の検出限界は1.0〜33 pg/mlであった. 検量線の直線性1 lpg/ml〜10 ng/mlの範囲で, いずれの化合物も相関係数0.9995以上であった. また, 繰り返し再現性(相対標準偏差, n=6)は, 濃度10, 100, 1000 pg/mlでそれぞれ3.6〜6.8, 2.3〜4.9, 2.4〜3.5%であった. 更に, 河川水100 mlに4-n-ペンチルフェノール, 4-n-ヘキシルフェノール, 4-n-ルヘプチルフェノール及び4-n-オクチルフェノールは1 ng, 4-n-ブチルフェノール及び4-n-オクチルフェノールは10 ng, ノニルフェノール(混合物)は500 ngを添加し, 本法で得られた回収率は77.9〜102%であり, また繰り返し再現性(n=5)は相対標準偏差で4.1〜12%であり, いずれも良好な結果を示した.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2000-05-05
著者
-
滝埜 昌彦
横河アナリティカルシステムズ(株)
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中村 貞夫
横河アナリティカルシステムズ(株)関西支店
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代島 茂樹
横河アナリティカルシステムズ(株)
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代島 茂樹
横河アナリティカルシステムズ(株)アプリケーションセンター
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代島 茂樹
横河アナリティカルシステムズ(株)アプリケーション開発部
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