ガスクロマトグラフィー/負イオン化学イオン化質量分析法によるクロロフェノール類, ピスフェノール A及び17β-エストラジオールの定量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
内分泌攪乱物質と疑われる 2,4-ジクロロフェノール, ペンタクロロフェノール, ビスフェノールA及び17β-エストラジオールの4化合物について, ペンタフルオロベンジルブロミド(PFBBr)によりペンタフルオロベンジル(PFB)誘導体とし, メタンを試薬ガスとする負イオン化学イオン化 (NICI) 法を用いたGC/MSにより徴量分析法の検討を行った. 試薬ガス流量及びイオン源温度の最適条件を検討し, それぞれ2.5 ml/min 及び 210℃とした. 定量は各化合物の (M-PFB)-^イオンを用いる選択イオン検出法(SIM)で行った. 混合標準溶液での検出限界は, 0.4〜12.5 pg/mlであり, 検量線の直線性は 10 pg/ml〜100 ng/ml の範囲で, いずれの化合物も相関係数0.9995以上であった. また, 繰り返し再現性 (相対標準偏差, n=5) は, 各標準品の濃度 20, 100, 1000 pg/ml でそれぞれ 2.8〜9.3, 6.2〜9.7, 2.7〜8.6%であった. 更に, 河川水 200mlに2,4-ジクロロフュノール20ng, ペンタクロロフェノール20ng, ビスフェノールA 200 ng, 17β-エストラジオール2ngを添加し, 本法で得られた回収率は91.4〜103.3%であり, また繰り返し再現性 (n=5) は相対標準偏差で5.0〜8.3%であり, いずれも良好な結果を示した. また, 検出限界を比較したとき, NICI法は電子イオン化法より6.5〜150倍高感度であった. 以上のことから本法は, 河川水中の徴量なクロロフェノール類, ビスフェノールA及び17β-エストラジオールを高感度に定量できることが分かった.
- 2000-03-05
著者
-
滝埜 昌彦
横河アナリティカルシステムズ(株)
-
中村 貞夫
横河アナリティカルシステムズ(株)関西支店
-
代島 茂樹
横河アナリティカルシステムズ(株)
-
代島 茂樹
横河アナリティカルシステムズ(株)アプリケーションセンター
-
代島 茂樹
横河アナリティカルシステムズ(株)アプリケーション開発部
関連論文
- 液体クロマトグラフィー質量分析法によるアフラトキシン定量分析
- 液体クロマトグラフィー/エレクトロスプレーイオン化質量分析法による河川水中農薬類の一斉分析
- 国産玄米の真菌調査と分離された Penicillium islandicum の毒素産生能
- 負イオン化学イオン化質量分析法におけるインドール系化合物の有効な誘導体化法
- 負イオンマススペクトルの相対感度といくらかの生物活性物質の分子イオン開裂特性に関する分子軌道法的研究
- ガスクロマトグラフィー/負イオン化学イオン化質量分析法によるクロロフェノール類, ピスフェノール A及び17β-エストラジオールの定量
- 尿中覚せい剤の抽出・誘導体化及びGC/MSの全自動分析
- 熱脱着・熱分解-GC/AEDおよびMSによる加硫ゴム中の加硫促進剤の分析
- ガスクロマトグラフィー/負イオン化学イオン化質量分析法によるアルキルフェノール類の定量
- 1J1030 キャニスター中VOCsの洗浄方法に関する検討
- ベンゼン二置換体及びピリジン置換体の磁気円偏光二色性
- 窒素酸化物のフェノールジスルホン酸吸光光度定量における負誤差の質量分析的検討
- タウンゼント放電-化学イオン化質量分析法による空気の微量有機成分の直接検出
- 自動前処理装置を用いるガスクロマトグラフィー : 質量分析法による食品中の保存料の一斉分析(質量分析法の応用技術)
- ガスクロマトグラフィーとその周辺技術
- 液体クロマトグラフィー/大気圧イオン化質量分析法によるビスフェノールA及びアルキルフェノール類の一斉分析 (環境ホルモンと分析化学)
- 液体クロマトグラフィー--大気圧イオン化質量分析法による環境ホルモン類の一斉分析
- ゴルフ場使用農薬の質量スペクトル
- 負イオン化学イオン化質量分析法の基礎的検討とその微量成分分析への応用
- 異性体の化学イオン化質量スペクトルに関する研究
- Townsend放電を利用する化学イオン化質量分析法における試薬ガスの基礎的検討
- 塩化アルキル/メタン混合系試薬ガスを用いる負イオン化学イオン化法の基礎的検討
- 有機極微量成分分析のための化学イオン化質量分析法の測定条件の検討
- 負イオン化学イオン化を用いるガスクロマトグラフ質量分析法による飲料水中のハロゲン化炭化水素類の定量
- 有機塩素系農薬類のイオン化学イオン化質量スペクトル
- 化学イオン化質量分析法による炭化水素のタイプ分析
- 液体クロマトグラフィー/質量分析法による河川水中のミクロシスチン類の分析法の検討
- ヘッドスペースガスクロマトグラフィー : 負イオン化学イオン化質量分析法による水道水及び河川水中アルデヒド類の分析 (健康と分析化学)
- 液体クロマトグラフィー/質量分析法による河川水中のヘテロサイクリックアミン類の分析法の検討
- 液体クロマトグラフィー/大気圧イオン化質量分析法によるN-メチルカルバメート系農薬の一斉分析
- 自動前処理装置を用いるガスクロマトグラフィー : 負イオン化学イオン化質量分析法による除草剤の一斉分析(質量分析法の応用技術)
- ヘッドスペースサンプラーを用いるガスクロマトグラフィー : 質量分析法による食品等中の香気成分の高感度分析(質量分析法の於用技術)
- 化学イオン化質量分析法による大気中の揮発性有機塩素化合物の測定 (論文特集「地球環境および地域環境と化学」-その2-) -- (環境汚染物質の分析)
- GCおよびGC/MSによる接着剤の分析
- 負イオン化学イオン化を用いるガスクロマトグラフ質量分析法によるベンゾ[α]ピレンの迅速定量
- 化学イオン化質量分析法によるポリ塩化ビフェニルの定量
- 負イオン化学イオン化を利用したガスクロマトグラフ質量分析法による有機塩素系農薬類の定量
- 多環芳香族炭化水素類の化学イオン化質量スペクトル--陽イオン
- 化学イオン化質量分析法によるアルキルベンゼン類の選択的検出と同定
- 含窒素複素芳香族化合物の化学イオン化マススペクトル
- 化学イオン化マススペクトロメトリ-における試薬ガスの選択
- 化学イオン化質量分析法の応用に関する基礎的研究
- 化学イオン化マススペクトロメトリーによるC10H14 アルキルベンゼン異性体の分類と判別・同定
- C11H16〜C25H44アルキルベンゼンの化学イオン化マススペクトル
- 溶媒–メタン混合系試薬ガスを用いる化学イオン化質量分析法の基礎的検討
- 化学イオン化質量分析法によるC8H10,C9H12アルキルベンゼン異性体の判別と同定
- LC/TOF-MSによる環境汚染物質の分析
- 固相マイクロ抽出法
- 内分泌撹乱化学物質の分析技術と現状と展望
- ゲルろ過および分配・吸着マルチモードカラムによる血漿中薬物の直接注入分析