高速原子衝撃質量分析法による海水中のシリカ溶存化学種の解析
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概要
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多様に展開する質量分析計の中から,溶液中に存在する溶解化学種をあるがままに同定する方法として,高速原子衝撃質量分析(FAB-MS)法を用いた測定法を開発した.本論文では,溶液中に溶存する化学種を測定するために,塩溶液中に溶解するシリカ化学種を測定する方法とそれを採用するに至った過程とその問題点を示す.更に,シリカの濃度が比較的高い,深層海水を対象として,海水中のシリカ化学種をFAB-MSを用いて測定する方法について検討し,その同定結果を示した.海水に溶存するシリカは,単量体から6量体まで存在し,直鎖状4量体,5量体,6量体と環状4量体,5量体,6量体,各シラノール基のナトリウムイオン,カルシウムイオン,カリウムイオン置換体が存在することを確認した.海水塊のキャラクタリゼーションをシリカ溶存化学種の存在度を基に行う試みとして,シリカ化学種の中でも特徴的な直鎖4量体と環状4量体のピーク強度比(すなわち相対存在度)を基に,単純な塩溶液と海水のシリカの化学種の比を比較し,化学種解析の環境分析への発展性を検討した.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2004-06-05
著者
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