シリカゲルの溶解に対するアルカリ, アルカリ土類及び亜鉛イオンの効果
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概要
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シリカゲルをアルカリ金属, アルカリ土類金属及び亜鉛イオンの塩化物水溶液に反応させ, シリカの溶解速度を求めた, 陽イオンの溶液濃度が高くなるに従ってシリカゲルの溶解速度は高くなり, 又同じ電荷を持つイオン同士ではイオン半径が大きくなるに従ってシリカゲルの溶解速度も高くなった.特にCa^<2+>, Sr^<2+>イオンにおけるシリカゲルの溶解速度は著しく高く, アルカリ土類金属及び亜鉛イオン全体では, アルカリ金属イオンのときと比較して溶解速度の変化が大きかった.更に, アルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンそれぞれにおいて, 各イオン半径とシリカゲルの溶解速度との間には元素グループ独自の直線関係が認められた.今回のアルカリ, アルカリ土類にまたがる系統的実験結果は, シリカの溶解機構は, 画-的なものではなく, 共存する金属イオンにより差異が存在することを示唆するものであると考えられる.特に, Ca^<2+>, Sr^<2+>のような, イオン半径の大きいアルカリ土類金属イオンの存在下では, Doveら^<1)>が提唱した, 一つのイオンが1分子のシアノール基に交換する機構とは異なった溶解メカニズムが作用している可能性も考えられる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1996-07-05
著者
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