相対感度係数を用いるノニルフェノール異性体別測定法の開発と検証
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概要
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ノニルフェノール(NP)はガスクロマトグラフ質量分析計により20本以上のピークに分離されるにもかかわらず,現在の公定法では,m/z 135で検出される主要な数本の合算値からNP総量を測定している.しかし,現行法ではm/z 135にフラグメントをもたない異性体の測定ができず,異性体ごとの毒性値の差を評価できないことが指摘されている.本研究では,内標準物質にp-n-NP(^<13>C)を使用し,13種の異性体の相対感度係数(RRF)を作成,各異性体個別の測定を可能とする分析法を開発した.また,現行のJIS,ISO法との精度比較も行い,RRF法により高精度異性体分離測定が可能なことが確認された.RRF法の分析精度検証として,東京湾に流入する荒川及び花見川水系の河川水を分析した結果,各試料中のNP濃度はND<38〜5400ng/lであり,最も多く合まれるNP異性体の割合は3.8〜15%と試料により違いが認められ,RRF法による異性体別分析の必要性が再確認できた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2004-10-05
著者
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山下 信義
産業技術総合研究所環境管理技術研究部門
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山下 信義
独立行政法人産業技術総合研究所環境管理技術研究部門
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片瀬 隆雄
日本大学大学院生物資源科学研究科
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金 倫碩
日本大学大学院生物資源科学研究科
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堀井 勇一
独立行政法人産業技術総合研究所環境管理技術研究部門
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堀井 勇一
埼玉県環境科学国際センター
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山下 信義
独立行政法人産業技術総合研究所
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