常緑針葉樹葉を用いる環境モニタリングによる日本・ポーランドでの塩素化ナフタレン及びダイオキシン類の発生源推定(<特集>海と空と島の環境分析)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
大気汚染の長期的指標として有効性が確認されているクロマツを用い,日本,東京湾周辺地域及びポーランド,工業地域における塩素化ナフタレン(PCNs)及びダイオキシン類の異性体別詳細分析を行った.東京湾周辺10地点より採集した試料中のPCNs濃度は,250〜2100 pg/gであり,ポーランドエ業地域では,520〜920 pg/gであった.両国ともPCNsに占める三塩素化及び四塩素化ナフタレンの存在割合が高かった(54から83%).しかし,八塩素化ナフタレンは明らかにポーランド試料に多く,ポーランド特有のPCBs製剤であるchlorofenの影響が示唆された.また,東京湾周辺試料中の2378塩素置換ダイオキシン濃度は27〜110 pg/g,コプラナPCBsで110〜420 pg/gであった.ポーランド試料ではそれぞれ37〜125 pg/g,990〜1700 pg/gであった.ダイオキシンについても八塩素化物の割合がポーランドで高く,コプラナPCBs濃度レベルにも有意差が認められた.本研究手法により,常緑針葉樹葉を指標とした大気汚染の国際比較が可能であり,各国特有の発生源推定にも有用であることが判明した.
- 2004-12-05
著者
-
岡澤 剛
産業技術総合研究所環境管理技術研究部門
-
山下 信義
産業技術総合研究所環境管理技術研究部門
-
谷保 佐知
独立行政法人産業技術総合研究所環境管理技術研究部門
-
山下 信義
独立行政法人産業技術総合研究所環境管理技術研究部門
-
堀井 勇一
独立行政法人産業技術総合研究所環境管理技術研究部門
-
羽成 修康
独立行政法人産業技術総合研究所環境管理研究部門
-
ORLIKOWSKA Anna
Department of Environmental Chemistry & Ecotoxicology, University of Gdensk
-
BOCHENTIN Ilona
Department of Environmental Chemistry & Ecotoxicology, University of Gdensk
-
WYRZYKOWSKA Barbara
Department of Environmental Chemistry & Ecotoxicology, University of Gdensk
-
FALANDYSZ Jerzy
Department of Environmental Chemistry & Ecotoxicology, University of Gdensk
-
岡澤 剛
独立行政法人産業技術総合研究所環境管理技術研究部門
-
Falandysz Jerzy
Department Of Environmental Chemistry & Ecotoxicology University Of Gdensk
-
Wyrzykowska Barbara
Department Of Environmental Chemistry & Ecotoxicology University Of Gdensk
-
Bochentin Ilona
Department Of Environmental Chemistry & Ecotoxicology University Of Gdensk
-
Orlikowska Anna
Department Of Environmental Chemistry & Ecotoxicology University Of Gdensk
-
羽成 修康
産業技術総合研究所計測標準研究部門
-
堀井 勇一
埼玉県環境科学国際センター
-
山下 信義
独立行政法人産業技術総合研究所
-
谷保 佐知
独立行政法人産業技術総合研究所
関連論文
- ISO 24293 : 2009に基づく水試料中ノニルフェノール異性体分析の試験所間試験
- 二次元高速液体クロマトグラフ精製法を用いる臭素化及び塩素化ダイオキシン及び類似物質の一斉異性体別定量
- P2-076 PFOS関連物質の変異原性(突然変異)
- ISO 24293 : 2009に基づく水試料中ノニルフェノール異性体分析の試験所間試験
- 二次元ガスクロマトグラフ/同位体比質量分析計を用いる18種のポリ塩化ビフェニル製品の異性体別炭素同位体比分析
- 茨城県北浦における柱状底質試料中の塩素化ナフタレン・ダイオキシン類異性体別分析
- PFOS/PFOAの国際標準分析法 ISO 25101の確立 (特集 環境計測・配慮製品評価の国際標準化 最新動向)
- ガスクロマトグラフィー/質量分析法による常緑針葉樹葉中の塩素化ナフタレン及びダイオキシン類の異性体分析
- 都市大気中ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)濃度の週間変化
- ペルフルオロスルフォン酸(PFOS)関連物質の地球規模海洋循環メカニズム (総特集 「微量元素海洋学」事始--GEOTRACES計画)
- 常緑針葉樹葉を用いる環境モニタリングによる日本・ポーランドでの塩素化ナフタレン及びダイオキシン類の発生源推定(海と空と島の環境分析)
- 標準液調製における試薬の純度評価法 : 有機化合物に関して
- 相対感度係数を用いるノニルフェノール異性体別測定法の開発と検証
- 技術情報 塩素化ナフタレンによる環境汚染
- 北部ポーランドの土壌・底質中の有機態ハロゲン(EOX)と人工有機塩素化合物
- PFOS関連物質問題の経緯と環境測定技術の信頼性確保 (特集 分析機器・技術の最新動向と展望)
- 国内PFOS関連物質分析の現状と廃水及び廃棄物分析事例 (特集 循環型社会を支える分析化学)
- 国内PFOS関連物質分析の現状と廃水及び廃棄物分析事例
- 2B1113 低温捕集型大気サンプラーを用いた海洋調査法の開発(2手法-1計測分析,一般研究発表)
- 未規制化学物質の測定・評価・管理に関する最新研究課題 : 若手研究者からの発信
- 学校等に設置されている小型焼却炉内の残留灰中ダイオキシン類の濃度
- 残留性有機汚染物質の安定同位体比解析 : 分析法からダイオキシン天然生成解析への応用まで