ガスクロマトグラフィーによる水中の微量<I>p</I>-クマル酸の定量法の検討 : フェノールカルボン酸の微量分析法(第1報)
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概要
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μg量の<I>p</I>-クマル酸の分析法を検討した.<I>p</I>-クマル酸は,OV-17をDMCS処理したChromosorb W (80〜100メッシュ)に1.5%コーティングした長さ2.25m,外径4mmのガラスカラムで,カラム温度220℃等温で5分以内に溶出した.測定精度は,エイコサンを用いた内部標準法で変動係数は1.87%であった.p-クマル酸は,ビストリメチルシリルトリフルオロアセトアミドでトリメチルシリル化した.1ppm以下の<I>p</I>-クマル酸水溶液から,分液漏斗で硫酸酸性で<I>p</I>-クマル酸をエーテル抽出し,90%以上の回収率が得られた.トリメチルシリル化剤中には不純物が,抽出に使用する水,エーテル,乾燥剤としての無水硫酸マグネシウム中には相当量(〜0.1ppm)のフタル酸ジブチルが含まれていた.フタル酸ジブチルは目的物質の分析を妨害する場合があるので,最大限除去してから使用する必要があった.<I>p</I>-クマル酸トリメチルシリル誘導体の同定には質量分析計を用い,その結果,誘導体は<I>p</I>-トリメチルシリロキシケイ皮酸トリメチルシリルエステルであることを確認した.以上の検討の結果から,本法は水中に30〜300ppb濃度で遊離の状態で存在している<I>p</I>-クマル酸の分析法として採用できることが明らかとなつた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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