Pattern Recognition for Sequential Stereo Vision
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概要
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立体知覚は右目と左目に入った膨大な二次元的情報を融合して神経回路が三次元的な景色として立体的に認めする事である。左目と右目の情報は大部分似ているが同じではなく, 奥行きに応じた視差のずれが生じる。これは座標(u,v)のにおけるずれ(a,b)の類似度がS^<uv>_<ab>として表され, データとして入力されると考えられる。神経回路はこれらの変数に対応する神経治性度によって各点のずれ情報を処理し, 正しいずれは勝ち残り, 間違ったずれは負けて, 立体知覚を獲得する。近年, Reinman and Harken (1994)の研究が注目されたが, 彼らの方程式が2つの安定な解を持ち, 不要な解を出力するおそれがあることから, 吉富他(1996)はポテンシャルとして三次項を持った方程式を研究した。[numerical formula] (1) [numerical formula] (2) [numerical formula] (3), ここで式(3)で表されるαの第一項は入力の項である。第二項は競合効果を, 第三項は協調的劾果を示す。さらに(2)に表されるポテシシャルの第二項はこの式の対称性を壊すために加えたものである。B, C, D, Eは正の定数である。Σ'_<a',b'>はDisparity Search Area (DSA)の範囲内での和を表す。Σ'_<u',v'>はCooperative Area (CA)の範囲内での和を表す。図1にUの典型的な二つの例を示す。α>0では, ξ→0となって敗者となり, α<では三次項の導入により, 左右の対称性を破り, 一つの最小値に落ち(適当なアニーリングのもとで)勝者となって解の唯一性が保たれる。しかしながら動的な環境下では立体認知の問題は簡単ではない。第一に, 静的な場合には, 入力情報は初期値として与えればよかったが, 動的な場合は入力が時間的に変化し, それを順次処理する必要があることから, 入力変数と内部変数をはっきり分離する必要がある。第二に, 動的な場合はずれ情報が時間的に変化することから, ある時点で勝者となった神経素子は次に敗者となり, また敗者は勝者となってゆく。しかしながらドルリ(1)〜(3)式のような競合と協調の回路ではよく知られているように, 勝者は安定しており, 少しの条件の悪化ではなかなか敗者にはならない。我々は, 第一の問題の解決のために, ξ^<uv>_<ab>を内部変数とし, λ^<uv>_<ab>は類似度の平均値からの偏差を表し, 入力変数とした。また第二の問題の解決のためにパラメータ, B, C, D, Eの設定を根本的に見直すとともに, 適当なアニーリングを行なった。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-09-24
著者
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